レントゲンレコードと、ウォッカで、ロシアを思う

昨晩、中目黒にある、家の裏の地下『かふぇたぬきや』というロシアレストランで、

「肋骨レコードを聴く会」がありました。

これは、冷戦時代、ロシアで禁止されていた外国の音楽を、闇で販売していた人達の

お話が中心です。

 

どうしても外国の音楽が聴きたい!彼等は、考えたあげく、レントゲン写真を

レコードにして、音楽をコピーしたのです。レントゲン写真は、病院で廃棄する物を、

格安で手に入れたそうです。

 

それを丸く切り、レコードのシートにして、色々な音楽をコピーして闇で売っていました。

今回は、モスクワ放送日本課に勤務後、日本でテレビ制作会社に勤務し、ロシア関係の番組等を

制作している方のお話で、とても興味深いものでした。

 

彼が手に入れた肋骨レコードを聴かせてもらいました。

 

写真ではわかりにくいですが、レントゲン写真なんです。

もちろん、古くなっているせいもあり、音は最悪でしたが、面白かったです。

これらを作っていた人達は、ロシア警察に捕まり、シベリア送りになってもへこたれず、

出所すると、更に良い物を作ろうと挑戦し続けたらしいです。

 

私は言いました。当時は犯罪者だったのかもしれませんが、これは芸術の自由のための戦い。

ドラッグや、拷問、と言ったネガティヴな話ではない。

誰も傷つけていない。

 

彼等が製作を止めなかった理由は、自分達がしていることは、犯罪だと思っていなかったからなのだろうと

考えます。

 

当時、肋骨レコードでしか聞けなかった音楽が、今ではCDで販売されています。

でも、そのCDには、肋骨のレントゲン写真が印刷されている。それを見ながら、ウオッカを飲む。

そんな会は、最高でした。

 

 

私としては、そんなにまで、人の心を引きつけた音楽を作り、歌ったアーティストが羨ましい。

レントゲンに刻まれた、アーティストの作品は、一筋の光のようでした。

 

戦争下で美術館の作品を必死で守ったロシア人。エルミタージュ美術館。

彼等の芸術を愛する心が、アーティストの端くれでもある

私に、何か共鳴する物があると感じました。

私のガラス作品(B品)を飾ってもらっているので、それもリスペクトされました。

今度はAを持って行っておこう(^^;)

 

お土産は、ロシアの美味しいクッキーでした。