かつて私がアロマ、フレグランスの仕事に力をいれていた頃、
まだ地金の価格はリーズナブルで、私はジュエリーデザインの仕事も平行していました。
良い石を見付け、デザインし、彫金は専門の方にお願いしていたのですが、
わりと注文があり、自分自身のものもデザインし、宣伝の意味もあり、身につけていました。
その頃デザインしたチョーカーネックレスの中の一つがこれです。
プラチナベースに、ダイヤと、ペパーミントベリルを使用しています。当時でも、かなりお金をかけましたが、
地金の高騰のせいで、今ではもう手の出ない値段です。
本来、ジュエリーの仕事をもう少しやりたかったのですが、今の金、プラチナの価格では、
100万円単位のオーダーでなくては合いません。
今度京都で展示を一緒にする広瀬さんは、フィレンツェでジュエリーを学んだ作家さんですが、
今の時代ですから、シルバーや、金メッキを中心としていて、
素晴らしい手の込んだ透かしのデザインも、価格が安くなり、かわいそうだなと思います。
そして私が7年前から始めたガラスの作品は、自分でデザイン制作していますが、金、銀、プラチナをあしらい、
まるでジュエリーを作るみたいで楽しいです。お客様にも、その通り、あなたの作品は宝石だと言って頂けます。
デパートの食器コーナーへ行くと、驚くほど素敵な器が、低価格で販売されています。
ちょっとしたギヤラリーです。太刀打ちできません。
私は、それとは全く違う、ガラスの世界を造ります。
ガラス作品と言うより、金、銀、地金細工とでも言いますか。私のお客様は、それを期待していてくれるから。
もし、今の工房がなくなっても、よりコンパクトで、ジュエリーに近いガラス作品を、
どこかの工房で作ろうと考えています。ガラスケースにコレクションできるような。