どんな大作家にも、初めてがあるはずなのですが、ガラスを始めてこの4月で6年になるこの私にも、
初めてのガラス体験がありました。
2005年、小樽のk’sブローにて、一輪挿しを作りました。それがこの作品。
で、先日作った小さな花瓶がこちらです。
まあ、使用前使用後ではありませんが、きちんと作家になれました。
2005年の小樽は、私がまだ香り作家で、まさかガラスをやるとは思っていませんでしたが、
子供のころからヴェネチアングラスにあこがれていて、
自分の作った香水を、ヴェネチアングラスのボトルに入れるのが夢でした。
まあ、そんな流れで、ガラスに繋がっているのですが、この体験の時のビデオが、
笑えるくらい若くて、緊張でガチガチ。顔色まで悪いんです。
しかも、一緒に行った、年の離れた主人が、ビデオを撮ってくれたんですが、あまりに接近しすぎて、
「おとうさん、危ないですよ!」と、言われていたのを覚えています。
その後、ヴェネチア館で、沢山の作品を見て、カーニヴァルの姿で写真撮影。
こちらも緊張しすぎて、まるで人形。でも、自分的には最高の思い出だったんです。
それから数年、香りの仕事が減り、ニューヨークにしばらく居たり、色々考えて、
一大決心でガラスをやることにしました。
幾つになっても、チャレンジ精神は失っていません。自分よりずーっと若い先生に
教わり、少しだけ年上の師匠におんぶにだっこで助けられ、ヴェネチアへも行き、
あの頃の夢を追い続けています。
この4月に京都で展示を企画しています。
必死で作品を作り、そして、必死で営業し、もし、全く駄目なら、ガラスを止めるかもしれません。
いえ、これでだめならもう止めたいと思うほど、頑張るのは大切です。
ただ、どうでしょう?結果を見るのが怖い。
作家はいっだって、作品を生み出す苦しみと、作品に付けられる評価におびえながら生きている
かわいそうな生き物です。でも、
こんな思いをし、一円にもならないどころか大損害でも、自分の人生に悔いが残らないくらい
自分が空っぽになれたなら、きっと幸せな生き物です。
頭の中にある色々な物が重くて、仕方がないのですから。